野球で肘に痛みが出ると、多くの場合「野球肘」と診断されます。
しかし、野球肘は一つの病気ではありません。野球の投球動作によって肘に痛みが出た状態をまとめて呼んでいる総称です。
整形外科では「上腕骨内側上顆炎」「リトルリーグ肘」「内側側副靱帯損傷」「離断性骨軟骨炎」など、さまざまな診断名が付けられます。
野球肘とは
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野球肘 (やきゅうひじ)とは | 済生会
野球肘とは、野球で繰り返しボールを投げることで肘に痛みが現れた状態をまとめて呼ぶ名称です。
一つの病気ではなく、投球動作によって肘の内側や外側、後方に痛みが出た状態を総称して野球肘と呼んでいます。
整形外科や接骨院を受診すると、「上腕骨内側上顆炎」「リトルリーグ肘」「内側側副靱帯損傷」「離断性骨軟骨炎」など、さまざまな診断名が付けられます。
しかし、それらは痛みが出ている場所や状態を表しているだけであり、実際に組織が切れていたり、壊れているケースはほとんどありません。
なので当院では診断名ではなく、「なぜ肘へ負担が集中しているのか」を重視して施術を行っています。
野球肘の種類
野球肘には数多くの診断名があります。
痛みが出る場所や年齢、画像所見によって名称は異なりますが、いずれも投球動作によって生じた肘の痛みを分類したものに過ぎません。
肘の内側に痛みが出るもの
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
前腕の筋肉が繰り返し引っ張られることで、肘の内側に痛みが出るとされています。
上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)
成長期の子どもに多く、未成熟な骨へ投球による負担が加わることで発症するとされています。
上腕骨内側上顆裂離・骨端線障害
成長軟骨や骨の剥離、骨端線への負担が原因と考えられている診断です。
内側側副靱帯損傷(肘MCL損傷)
投球動作を繰り返すことで、肘の内側を支える靱帯へ負担が蓄積した状態です。
肘の外側・後方に痛みが出るもの
離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭障害)
肘の外側にある軟骨へ繰り返し負担が加わることで発症するとされています。
滑膜ひだ障害(棚障害)
肘を曲げ伸ばしした際に引っ掛かるような違和感や痛みが出る障害です。
肘頭疲労骨折
投球による衝撃が積み重なり、疲労骨折と診断されるケースです。
肘頭骨棘骨折
繰り返しの投球によって形成された骨棘が骨折し、痛みを生じると説明されています。
野球肘には、このようにさまざまな診断名がありますが、名称が違うからといって、痛みの原因まで違うわけではありません。
原因には、実は多くの共通点があるのです。
当院では診断名よりも、「どの動きで痛みが出るのか」「なぜ肘へ負担が集中しているのか」を重視しています。
そのため、診断名だけにとらわれることなく、身体全体の状態を確認した上で、本当の原因に対して施術を行うことができるのです。
診断名だけでは原因は分かりません
野球肘と診断されると、「炎症」「損傷」「剥離」「疲労骨折」といった言葉を耳にすることがあります。
しかし、それらは痛みが出ている場所や画像上の状態を表している名称であり、痛みの本当の原因とは一致しないケースがほとんどです。
もし本当に炎症や損傷が原因であれば、施術によってその場で痛みが改善することはありません。
傷や骨折が、その場で治ることがないのと同じです。
それにもかかわらず、当院では一度の施術で改善、あるいは完治する野球肘の患者さんが数多くいらっしゃいます。
つまり、「〇〇炎」「〇〇損傷」という診断名だけでは、現在の痛みを説明できないケースが非常に多いということです。
また、骨の出っ張りや剥離、分離などを指摘されても、同じ状態で痛みのない方もいらっしゃいます。
もし画像に写っている変化そのものが原因であれば、その状態の方は全員が痛いはずです。
つまり、画像所見は参考にはなりますが、痛みの原因とは限らないということです。
当院が考える本当の原因
一般的には、野球肘の原因は前腕屈筋群と呼ばれる筋肉の硬さだと説明されます。
投球を繰り返すことで前腕の筋肉が硬くなり、その筋肉が肘の内側を引っ張ることで痛みが出るという考え方です。
確かに理屈としては分かりやすいのですが、実際には前腕の筋肉だけを施術しても改善しないケースがほとんどです。
当院では、野球肘の原因は前腕ではなく、肩や手首の筋肉や筋膜のコリ・ハリ・緊張にあると考えています。
肩や手首が十分に動かなければ、その負担を肘が補うことになります。
その状態で何度も投球を繰り返した結果、肘へ負担が集中し、痛みとして現れるのです。
そのため、肘だけを施術したり、前腕だけをマッサージしたりしても根本的な改善にはつながりません。
重要なのは、どこを動かすと痛いのか、どこが肘へ負担をかけているのかを見つけることです。
当院では肩や手首だけでなく、上腕三頭筋なども含めて身体全体を確認し、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行っています。
一般的な治療について
病院では、野球肘に対して次のような治療が一般的です。
- 投球を中止して安静にする
- 湿布や痛み止めを使用する
- サポーターやテーピングで固定する
- ストレッチやリハビリを行う
- 重度の場合は手術を検討する
これらは患部の痛みを一時的に抑えて誤魔化し、自然に治るのを待つことが目的の治療です。
本当の原因を改善させているわけではありません。
なので、肘へ負担をかけている原因が残ったままであれば、スポーツへ復帰した途端に再発するのは当然です。
まとめ
野球肘は、野球を続けている限り子どもから大人まで誰にでも起こり得る症状です。
当院では、野球肘だからといって肘だけを施術することはありません。
まずは「どの動きで痛みが出るのか」を細かく確認し、肩や手首、上腕三頭筋などを含め、肘へ負担をかけている原因を探して施術します。
その結果、野球肘と診断されていても、一度の施術で改善、あるいは完治するケースが数多くあります。
これは痛みをごまかして自然に治るのを待つのではなく、肘へ負担をかけている本当の原因に対して積極的に施術を行っているからです。
野球肘は、重度の骨折を除けば施術で改善します。
現在の治療方針で改善がみられない場合は、セカンドオピニオンをおすすめします。




