投球回数が多い投手、強い送球を繰り返す捕手や内野手は、肩を痛めやすい傾向があります。
このように、野球選手が投球動作によって肩を痛める状態を、一般的に「野球肩」と呼びます。
テニス肘やゴルフ肘と同じく、野球肩という言葉は症状の総称に過ぎません。
野球肩とは
野球肩とは、投球動作を繰り返すことで肩関節やその周囲に痛みが出ている状態の総称です。
特にオーバーヘッドスローでは、肩関節に強い回旋力と牽引力が加わります。
その結果、投球時や振りかぶり、リリース前後で痛みを感じる選手が多くなります。
一般的に言われる野球肩の診断名
野球肩と診断されると、整形外科などでは「原因」として、さまざまな疾患名を挙げられることがあります。
一見すると、それぞれ明確な異常や損傷が起きているように感じるかもしれません。
しかし、これらはあくまで痛みが出ている状態を分類した名前であり、実際に組織が壊れていることを意味するものではありません。
一般的には、野球肩は次のような診断名で説明されることが多くあります。
肩関節インピンジメント症候群

画像引用元:再生医療|幹細胞治療|リボーンクリニック 大阪院【公式】梅田
肩を挙げる際、骨や筋肉、腱などの軟部組織が衝突し、挟み込まれることで痛みが出るとされる疾患です。
投球動作のほか、水泳やバレーボールなど肩を酷使する競技でも多く見られます。
腱板損傷(ローテーターカフ損傷)

画像引用元:肩腱板損傷(肩腱板断裂) | 福岡整形外科病院
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋といった腱板筋が損傷しているとされる診断名です。
腕を上げる、回すといった動作で痛みや筋力低下が出ると説明されます。
上腕骨骨端線障害(リトルリーグショルダー)

画像引用元:リトルリーガーズショルダー – り整形外科クリニック
成長期の子どもに見られる障害で、上腕骨の骨端線に負担がかかることで痛みが出るとされます。
投球数の多い小中学生に多く、安静が指示されることが一般的です。
動揺性肩関節症(ルーズショルダー)

画像引用元:肩関節不安定症 | 三国ゆう整形外科
成長期の子どもに見られる障害で、上腕骨の骨端線に負担がかかることで痛みが出るとされます。
明らかな脱臼がないにもかかわらず、肩の不安定感や痛みが出るとされる状態です。
投球時に「抜けそう」「ズレる感じ」があると訴える方もいます。
肩甲上神経損傷

画像引用元:肩甲骨の内側が痛い、痺れる人必見 | 桃谷うすい整形外科
成長期の子どもに見られる障害で、上腕骨の骨端線に負担がかかることで痛みが出るとされます。
肩甲骨周囲を走る神経が引き伸ばされたり圧迫されることで、力が入りにくくなるとされます。
痛みよりも重だるさや脱力感を訴えるケースが多いのが特徴です。
関節唇損傷(SLAP損傷)

画像引用元:SLAP損傷 (上方関節唇損傷)とは | 済生会
成長期の子どもに見られる障害で、上腕骨の骨端線に負担がかかることで痛みが出るとされます。
肩関節の受け皿部分である関節唇が損傷しているとされる診断名です。
引っかかり感や奥の痛みを理由に、手術を勧められることもあります。
当院での野球肩の考え方
これらの診断名を見ると、剥離や損傷といった言葉が並び、不安になる方も少なくありません。
しかし当院の臨床経験上、実際にそれらが本当に起きているケースはほとんどありません。
もし本当に腱板や関節唇が損傷していれば、安静にして自然修復を待たなければ痛みは取れません。
それにもかかわらず、当院では施術によってその場で改善、もしくは完治しています。
つまり、多くの野球肩は「損傷もどき」であり、構造そのものが壊れているわけではありません。
野球肩の本当の原因
野球肩の本当の原因は、肩周囲の筋肉や靭帯が硬くなり、関節の動きが歪んでいることです。
関節が正しく動かない状態で投球を続ければ、結果として腱が挟まれ、痛みが出ます。
原因を取り除けば、痛みは消えます。
実際の施術結果
当院には少年野球から高校球児、社会人や御年70代の草野球プレイヤーまで幅広い方が来院されます。
肩関節の外転・外旋に関与する筋肉、特に棘上筋・棘下筋の付着部を中心に調整します。
必要なポイントを緩めることで、野球肩で来院された方のほとんどが完治しています。
まとめ
野球肩は、剥離や損傷が原因で起こっているわけではありません。
骨折やヒビがなければ、筋肉や靭帯、関節包の問題であり、施術で改善・完治します。
現在の治療方針に疑問を感じている場合は、セカンドオピニオンをおすすめします。




